ーエピローグー
消えたように思えても、その町は、ずっと足元を支えてきてくれた。
生きてきた年月は消せない。
もちろん、あの町の記憶も。
どんな明日を選んでも、あの町は覚えていてくれる。
あなたが生きた、時間を共に。
そろそろ、戻ろう。
鍵を手にして、今のあなたが帰るべき場所へ。
大丈夫。
いつだってあの町は、あなたの心の中にあるのだから。
2009.6 佐原叶夜